システム思考ってなぁに?

【目次】
システム思考とは
システム思考とデザイン思考
システム思考で用いられるツール例
システム思考を取り入れるメリット
まとめ
前々回の記事で「デザイン思考」について学びましたが、デザイン思考とともに注目されている思考法がもう一つあります。
「システム思考」という言葉を、聞いたことありますでしょうか?
SDMらぼにおいてもデザイン思考と並んで大切にしている思考法ですが、今回はこの「システム思考」について理解を深めていこうと思います。
1. システム思考とは
システム思考は、解決すべき対象や問題を一つの「システム」として捉え、様々な視点からアプローチすることによって解決を目指す思考法のことを指します。
もう少し詳しく見てみると、相互に影響し合う事柄を図に落とし込み、目に見えているものだけにとらわれず物事を本質的に理解するための思考法であり、複雑な状況において変化に最も影響を与え得る構造を見極め、様々な要素の繋がりと相互作用を理解することで真の変化を創り出すためのアプローチ手法として活用されているようでした。
変化が激しく、不透明であり、かつ多様な価値観を持つ現代社会においては、物事の本質を見極める力が求められます。
このような背景の下、事象の全体像を様々な要素の繋がりとして理解し、他の分野や将来に悪影響を及ぼさない、最も効果的な解決策を見出すことのできるシステム思考が、注目されるようになっていったようです。
2. システム思考とデザイン思考
システム思考とデザイン思考は、どちらも問題解決を図るために活用される思考法となりますが、問題解決に向かう起点は異なるようです。
デザイン思考は、あらゆることをユーザー視点で考える思考法でした。
一方、システム思考は、事象(出来事)を起点にして、解決策を探っていく思考法となります。
同じ問題に対して、異なる側面からアプローチすることが可能なため、両者を組み合わせることによってより効果的に活用できそうですね。
余談ではありますが、システム思考とロジカルシンキングは、相互に補完する関係性と言われているようです。
システム思考で要素間の相互作用を考える際は、それぞれの主従関係や因果関係を検討するロジカルシンキングの視点が欠かせません。
ロジカルシンキングでは、要素間の繋がりを把握する際、相互作用は考えず、それぞれを点や線として考えます。
その点や線を一枚の絵に落とし込むためには、事象全体を面で捉える必要があり、ここでシステム思考が活用されます。
こうしたことから、ロジカルシンキングはシステム思考の土台となる思考法と考えられているようです。
3. システム思考で用いられるツール例
氷山モデル
「氷山の一角」という言葉があるように、目に見えているもの、表面に現れているものは全体のほんの一部にすぎないと考え、システム全体を4つの階層に見立てて全体像を把握するフレームワークです。

出来事
表面にあって、注目されやすい現象を指す
思考のスタート地点
パターン
何らかの出来事が起きた際に見られる傾向を指す
出来事の背景にある行動や時間的な変化を探る
構造
パターンを引き起こす原因やきっかけを指す
パターンと併せて、出来事の本質部分に当たる
メンタルモデル
構造を引き起こす関係者(意識または無意識レベルの前提)を指す
構造を変えようとする場合、メンタルモデルから変化させる必要がある
出来事ではなく、パターン・構造を含めた全体を俯瞰し、過去の経験や成果、思い込みにとらわれず、客観的な視点で各層を検討することが求められます。
ループ図
物事の因果関係を矢印によって見える化し、それぞれがプラスとマイナスどちらに働くのかを表現するもので、氷山モデルの「構造」を見える化するツールとなっています。
(構造をサークル上に配置することで、構造の流れを把握するのに役立てます。)

システムを構成する要素が変化した場合、それが全体にどのような影響を及ぼすのかを視覚化することで、問題解決のためにはどの要素をどのように変化させれば良いのか、判断しやすくなります。
氷山モデルもループ図も、空所ができたりうまくつながらない場合は、調査・収集すべき情報が抜け落ちている可能性があるため、ロジカルシンキングも活用しながら慎重に検討を進めていくことが求められます。
4. システム思考を取り入れるメリット
①物事を多面的に見られるようになる
要素間の因果関係や相互作用を視覚的に把握できることにより、偏った思考に陥ることを防ぐことができ、より効果的な判断の下、意思決定をすることが可能になります。
②全体像を把握できる
多面的に物事を分析することによって複雑化したシステムを大局的に捉えることができ、問題の全体像を俯瞰して把握することが可能になります。
③将来起こり得る出来事を予測しやすくなる
出来事の背景にあるパターンを理解することにより、問題が生じる予兆に気づけるようになり、先手を打ちやすくなります。
④共通認識を持つことができる
客観的、俯瞰的に事象を捉えることができるため、多様な価値観をもつ人が属する組織においてもそれぞれの主観を優先することなく、認識のズレを小さくすることが可能になります。
経済のグローバル化やダイバーシティ&インクルージョンが推進される中、多様な価値観を持つ人が集まれば良くも悪くも相互に影響し合うことは避けられず、様々な問題が生じやすくなることが考えられます。
そのような中で、誰もが俯瞰して全体を捉えられ、客観的に解決策を探っていけるシステム思考を取り入れることは非常に効果的であることがわかりました。
5. まとめ
以上、今回はシステム思考について学んできましたが、何か問題が生じた際、原因を探っているうちにいつのまにか視野が狭くなってしまっていたり、無意識のうちに偏見を持って問題を見てしまっていた、という経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時、システム思考を活用することで客観的な視点を取り戻し、より良い解決策を導き出すことができれば、自分自身のみならず、組織としてのパフォーマンスも向上しそうですよね。
デザイン思考と併せて、システム思考についても使いこなせるよう日々精進していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


